経理のキャリアアップに必要な事とは【スキルや知識のレベルアップより大切な事】
仕事に悩む人

「経理のキャリアアップを考えているけど、どんなキャリアプランがあるんだろう?年収アップも考えた時、スキルや知識は必要だよね?」

こんな疑問、悩みに答えます。

このブログでは「経理のキャリアアップを模索している方」に向けて、以下の内容で記事を書いていきます。

  1. 経理のキャリアアップに必要な事とは
  2. 経理職に用意されたキャリアプランの整理と準備
  3. 年収アップを目指す場合の最短ルート

経理は専門職の一つ。
特定のスキルや知識がなければ通常業務も行うことは出来ません。

しかし時代の流れと共に現在の経理に求められるスキルに変化が見られます。
つまり、一般的な知識やスキルだけでは到底ついていけないという事です。

現在経理チームに所属し、前職でも6年間管理部門で経理経験のある当ブログ管理人が、長期的視点で経理のキャリアアップに必要なものをご紹介していきます!!

たかひろ@現役経理マンたかひろ@現役経理マン

「数か月先の未来ではなく数年、数十年後の明るい未来を見据えたキャリアアップをエビデンスをお見せしながらまとめていきます。今まさに経理のキャリアアップに悩まれている方は、参考にしてください。」

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経理のキャリアアップに必要な事とは

早速経理のキャリアアップに必要なものについてまとめていきます。

まず結論からいうと必要なのは「貪欲さ」です。

なぜキャリアアップに貪欲さが必要なのか?
以下の順番で貪欲さが必要な理由をご紹介していきます。

  • 経理の主な業務
  • AI&RPAの導入は大企業ほど急速に発展
  • 自動化の先に待っているのは
  • 貪欲さはスキルや知識より大切

経理の主な業務

経理のキャリアアップを目指している。
そんな方であればすでに経理で仕事をしている方がほとんどかと思います。

基本的な事ですが、まず経理の主な業務についておさらいしていきます。

経理の主な業務は大きく分けて3つに分かれます。

・財務会計
・管理会計
・税務会計

財務会計でも国際会計基準か日本会計基準か分かれます。
一先ず大きな枠組みで業務を分けると上記3つになります。

経理チームに所属している大半の人が「財務会計」
つまり、主計を担当しているかと思います。

そして数名規模で動くのが管理会計、大企業でも1~2名ほどしかいない税務会計という編成です。

しかし、あなたはご存知でしょうか?
これら経理業務に大きな変化が見え始めています。

それは、近年急速に普及するAI、RPAなどのロボット(業務のデジタル化)の存在です。

関連記事:【経理の独学での勉強方法】未経験から経験者まで現役経理マンが解説

AI&RPAの導入は大企業ほど急速に発展

AIやRPAといったロボット、自動化の波は大企業ほど急速に発展しています。

そのスピードは目まぐるしい。
AI、RPA専門のサービス提供や上場企業までも注目を集めています。

その一例として、2017年には銀行最大手のみずほフィナンシャルグループがロボットやAIを活用し約1万9千人分の業務量削減を目指すことを公表しました。

以下一部抜粋します。

みずほは、今後10年程度で、グループ全体の3分の1に相当する約1万9千人分の業務量削減を目指す。事務作業の自動化や店舗の再編を進め、浮いた人材は営業現場に回す。

非常に衝撃的な内容だったことを覚えています。

リストラとまでは言及されていません。
しかし一部の業務については全てロボットが担うことになるため、仕事がなくなるのは間違いないです。

中で働く従業員は戦々恐々です。
さらにこの大変革は銀行だけではありません。

経理業務にもこの流れはすでに来ています。
実は私も現在経理チームの業務改善の一環としてRPA導入の支援を行っています。
(RPA業者、もしくはコンサルと連携して経理業務のRPA導入をサポートする仕事に就いています)

AIやRPAの導入が積極的に行われれば、間違いなく今までの簡単な仕訳入力や一部の業務は自動化され仕事がなくなります。

つまり、何を言いたいかと言いますと。
自動化される簡単な業務“しか”出来ない人は自然とフェードアウトすることになります

24時間365日、ストレスなく、文句も言わずコツコツシステム通りに働くロボットに取って代わられてしまう日はすぐ近くまで来ています。

関連記事:経理は将来なくなる仕事?【将来性とAIに代替されないキャリアとは】

自動化の先に待っているのは「格差」

自動化の先に待っているのは「明確に生き残る人と生き残れない人の差が広がる」ということです。

これは間違いないと起こると予想します。
さらにそれを裏付けるかのように働く人にとって衝撃的な研究内容が2015年に発表されましたのでシェアします。

それは、野村総合研究所と英オックスフォード大学との共同研究によって発表された「601種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算」

共同研究の内容には、10年~20年後には人工知能やロボット等によって代替可能性が「高い100種の職業」「低い100種の職業」がそれぞれ記載されています。

記載されているだけでも恐ろしい事実ですが、「どれくらいの確率で代替されてしまうのか?」の具体的な数値までは公表されていませんでした。
しかし、この共同研究を受けて女性セブンが確率を試算しランキング化して2018年に発表。
そのランキングの内、「代替可能性が高い職業」の上位に食い込んだ職業が以下の通りとなっています。

1位:電車運転士(99.8%)
1位:経理事務員(99.8%)
3位:包装作業員(99.7%)
3位:路線バス運転手(99.7%)
5位:じんかい収集作業員(99.6%)
6位:郵便外務員(99.5%)
6位:学校事務員(99.5%)
6位:ビル清掃員(99.5%)
9位:銀行窓口係(99.4%)
9位:計器組立工(99.4%)
9位:金属製品検査工(99.4%)
※順位、職業名、代替可能確率(%)の順

なんと1位に「経理事務員」がランクインしてしまっています。
ただ、経理“事務員”ですので、単純な仕訳業務や簡単な処理をする人員のことを指しているかと思います。

しかし、経理の簡単な仕事は真っ先にロボットに取って代わられてしまうことがデータからも浮き彫りとなりました。

出典:野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究「10年~20年後には人工知能やロボット等によって代替可能性が高い職業

関連記事:生き残る仕事・職業となくなる仕事ランキング50【将来生き残るために必要なのは創造力】

貪欲さはスキルや知識より大切

経理にとって簿記や会計のスキルや知識は必須です。
なければ仕訳も決算も監査対応にも応じることは出来ません。

しかし、データからも分かるように経理の簡単な業務、仕訳作業をやり続けるのは将来性がありません

経理以外の仕事にも活路を見出さなければ将来はないでしょう。
もっと言うと経理のスキルを土台にして他の業務に挑戦するのが今度キャリアアップする上で重要だと言えます。

つまり、経理のキャリアアップに必要な事は「成長への貪欲さ」です。

なんでも吸収する姿勢や学び、新しいことへのチャレンジが今後最も求められると考えます。
一つのことに固執したり、昔のやり方や昔はこうだったからとしがみついていては、いつの間にかロボットが隣に座っている現実が訪れます。

貪欲さは経理だけでなくその他の分野、職業でも共通して言えることです。
それは、アップルの創業者「スティーブ・ジョブズ」氏は2005年のスタンフォード大学卒業式辞に以下の名言を残しています。

「Stay Hungry. Stay Foolish.」

様々な訳が可能ですが、私は「貪欲であり続けろ」というメッセージ性が込められていると思います。
ストイックに追求し続け、世界が認める、誰もが知るアップルを世に広め、世界のモバイル時代に変革をもたらした偉人。

そんな偉人は、アップルが認められても常に追求を辞めず、貪欲にも様々な分野に挑戦し続けました。
実際にスタンフォード大学で卒業式辞を述べるスティーブ・ジョブズ氏の姿が残っていますので、興味のある方はご覧ください。

関連記事:経理のモチベーションを上げる方法【大切な事は成功体験の積み上げ】

経理職に用意されたキャリアプランの整理と準備

経理の仕事もいずれロボットやAI、RPAによって奪われます。

奪われる前にしっかりキャリアアップは考えるべきこと。
プランを考えて将来に向けて行動することが非常に大切です。

ここでは想定される経理職に用意されたキャリアプランの整理と準備をご紹介していきます。

いくつかプランが存在します。
自身に合った方向性、興味のある分野がないか今一度探してみて下さい。

まずはあなたの現在の市場価値を知る

まずはあなたの現在の市場価値を知った上でキャリアプランを考えるのも一つの方法です。

客観的データから現在の市場価値を知れればベクトルも向けやすくなります。
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【プラン1】経理職→管理会計

ここからは具体的なキャリアプランについていくつかご紹介していきます。
まずは非常にポピュラーなキャリアプランとして「経理職→管理会計」

決算、開示書類を扱う主計から管理会計にシフトするキャリアプランです。

仕事に悩む人

「?結局経理の仕事だよね?キャリアアップになってるの?」

と思われた方、以下経理と管理会計の平均年収をご覧ください。

「538万円」管理会計
「491万円」経理

管理会計の方が経理より50万近くも差が広がっています!
というのも今後は管理会計のように未来をより精緻に予測し迅速な経営判断に資するレポーティングが欠かせません。

ただの作業員より売上に貢献する人物像が求められます。
管理会計は経理のスキルや経験が土台にあって初めて出来る仕事です。

そのため、キャリアアップにも最も適した近道とも言えます。

管理会計へのキャリアアップを目指すなら、まずは「予算策定」「着地管理」といった基本的な管理会計の業務に携わるのが先決です。さらに、取締役会に提出する資料も管理会計が担っています。具体的に取っておきたい資格などはありません。現在の経理の仕事プラスα管理会計に関する業務に携われるように上司や先輩に打診するのがキャリアアップの近道と言えます。

【プラン2】経理職→IR

こちらも経理のスキルや経験を活かせるキャリアプラン「経理職→IR」

大企業ではIR専属の部署・チームが存在します。
上場する中小零細企業の場合は、財務もしくは経理が担っていることが多いです。

私は過去財務所属でIRメインで業務も行っていた経験があります。
その時の経験をお話すると経理が扱う財務諸表(PL/BS/CF)は間違いなく読めなければIRの仕事は務まりません。

それは、投資家周り(1on1と言います)で必ず投資家から財務諸表に関する数字の質問を受けるためです。

理解しておかなければ質問に答えられません。
しかし、もともと経理所属のあなたであれば財務諸表を作る立場にあるため、今度は会社の決算を知らせる立場に変わる、と考えれば想像しやすいかと思います。

さらに踏み込んでお伝えしたいのは、IRは決算数字だけでなく会社の将来性についても言及が必要です。
それは、投資家は会社の未来に投資します。どれくらい売上は伸びるのか?伸びる期待はあるのか?それはなぜか?

疑問が全て拭えた時、投資家は快くあなたの会社に投資してくれます。
しかし、将来性について全く説得力のない説明では投資はしてくれません。

そのため、IRに必要な要素は「将来の期待値を決算という具体的な数字を用いて説明できるコミュニケーション能力」

ただの作業員ではなく外部とのコミュニケーションがメインになります。

IRへのキャリアアップを目指す場合、経理職ではないため、部署異動が必要になります。経理内での異動は簡単ですが、部署をまたぐ場合は相応の努力が必要になってきます。IRに必要なのはコミュニケーション能力ですが、基本的な自社の株価対策、株式相場を読めるようになっておくことも重要です。証券アナリスト検定やFPなどが資格取得を目指しながらIRに関する知識も得られると思います。

【プラン3】経理職→事業企画

M&Aや業務提携など経営の中枢を担う仕事をしたい方は「経理職→事業企画」

事業企画の仕事は非常に多岐にわたります。
M&Aや業務提携、会社によっては予算策定を事業企画が行う場合もあります。

一言で言えば「社長直轄部署」です。
社長の直々の支持の元、もしくは社長の思想をくみ取って動く部隊ということです。

M&Aや業務提携など具体的な業務に関しても経理の財務諸表を読む力は発揮されます。
会社の決算や予算、着地見通しはどの場面においても用いられるため、経理のスキルはキャリアアップしやすいと言えます。

事業企画へのキャリアアップを目指す場合、こちらも経理職ではないため、部署異動が必要になります。しかし、多くの企業が経理から引き抜いて事業企画付けにする場合や中途採用で取るケースが見受けられます。ただ、黙っていてもステップアップは出来ませんので、姿勢を見せて、アピールすることが何より大切です。

【プラン4】経理職→CFO

経理の最終的なゴールはここではないでしょうか?「経理職→CFO」

CFO(最高財務責任者)取締役を目指す方も中にはいるのではないでしょうか。
経理で入社し20年近くキャリアを積んでCFOの座についた上司がいます。

監査法人出身者やアナリスト、コンサルなど中途採用でCFOとして入社させるケースもあります。
しかし、CFOは会社の財務、決算を司る非常に重要なパーソンです。CEOにとっても信頼のおける人物でなければ務まりません。

年収アップを目指す場合の最短ルート

キャリアアップより年収を上げたい方も多いことと思います。
在職企業でキャリアアップしなくても年収アップを目指す最短ルートがあります。

それが「転職」です。
もっと言うと年収ベースの高い業界に転職することで最短で年収を上げることは可能です。

大手人材紹介会社リクルートが運営する「リクルートエージェント」の調査によると、リクルートエージェントを利用した実に6割以上の転職者が年収アップに成功したと公表しています。

関連記事:経理は転職で年収アップ可能?【知識や資格の取得より成功率を上げる方法】

私もITベンチャー企業から大手製造業へ転職しました。
年収は新卒時代の400万円から現在は1,200万円までアップさせることに成功。

前職に留まっていては1,200万円まで年収を上げることは到底出来ませんでした。
それは、会社の就業規則に定められた給与テーブル、昇給によって給与は決まっているからです。

年収を上げたい場合は、年収の高い業界に転職するのが年収アップの最短ルートと言えます。

転職活動時に大きな力となってくれる「転職エージェント」の利用も年収アップには必要不可欠です。
(企業と転職者の間に入って年収交渉を行い、年収アップに尽力してくれます)

ぜひ、転職活動を始める際に複数転職エージェントに登録して進めることをおすすめします。

転職で年収アップも実現!管理部門におすすめ転職エージェント3選(無料&Web面談実施中)

転職エージェントの利用が初めての方は以下関連記事もご覧ください。

関連記事:転職活動初心者なら転職エージェント利用は必須【理由と疑問に回答】
関連記事:転職エージェントは複数使うべきか?【何社掛け持ちがベストか理由も解説】

まとめ:経理のキャリアアップに必要なものは『貪欲さ』

経理のキャリアアップに必要なものについて情報をまとめてきました。

改めて、本記事のポイントをまとめると、

・AIやRPAなどロボット、自動化の波は急速に広まっている
・大企業ほど大きな変革が訪れている
・経理事務員は近い将来ロボットに取って代わられる
・スキルや知識より成長への貪欲さが必要
・経理という土台を利用したキャリアプランは多く準備されている
・年収アップは転職が最短ルート

キャリアアップは今からでも遅くはありません。
危険なのは現在の仕事に固執すること。常に成長したいと抱く貪欲な気持ちが大切です。

経理というスキルは別分野、キャリアへの転向がききやすい優れた職です。
場合によっては年収もあげやすいと言えます。

転職をすればより最短ルートで年収も上がることでしょう(体験談)
ぜひ一度今後の人生、将来を見つめ直し何をしたいのか?考えてみてはいかがでしょうか。

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