経理は忙しい?この問いに答えます【結論は決算時期と月初が鬼多忙】
落ち込む人

「経理に転職したいんだけど、経理の仕事って忙しいの?まったく休みがない?未経験者にも分かりやすく教えてほしい!」

こんな疑問、悩みに答えます。

このブログでは「経理の忙しさが気になる未経験者の方」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。

  1. 経理は忙しいかの結論と理由
  2. 決算時期の具体的なスケジュール
  3. 月初作業の具体的なスケジュール
  4. 忙しい時期はあるがスキル次第で負担も変わる

当ブログ管理人は生粋の経理マン。
現職では経理チームに所属し、管理会計をメインに従事する管理部門を長年歩んできた社会人です。

そんな経理の忙しさも嫌ってほど経験しています(笑)

この記事では、経理未経験者やこれから経理に転職予定の方に具体的な業務スケジュールをまとめながら事前情報となる役立つ内容を解説していきます!

たかひろ@現役経理マンたかひろ@現役経理マン

「どんな仕事も忙しいのは確かですが、経理は少し特殊です。繁忙期と閑散期の業務スケジュールもまとめていきますので、ぜひ参考にしてみてください!」

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経理は忙しい?結論と理由

早速経理は忙しいのか?その結論と理由についてまとめていきます。

結論は「忙しい」です。
企業の決算を担う根幹職種であるため、忙しいのは当然です。

ただ、「忙しい時期」と「忙しくない時期」が明確に分かれています。
なぜなら、決算スケジュールがすでに法律で決められているからなんです(法定期限)。

ここが他の職種と異なる点になるかと思います。
では、いつが忙しくて忙しくないのか、解説していきます。

忙しい時期とは

まず経理の忙しい時期についてです。

忙しい時期は2通りあります。

  • 決算時期:四半期決算および本決算(短信&有報発表)
  • 月初の間:毎月月初に行われる月次決算

決算時期

例えば、あなたの務める企業が「12月期決算企業」とします。
12月期決算企業であれば、忙しい時期は以下の月。

・2月、5月、8月、11月(四半期決算発表月)
・2月、3月(本決算から株主総会までの期間)

決算月がとにかく忙しいですが、2月、3月がその中でも最も忙しい。
また、決算月の前月も準備等々で追われる事があります。

特に、本決算の2月発表に向けて新年早々経理は動き出します。

監査法人との折衝、取引先との残高確認、子会社管理。
正直、大企業や売上好調の成長企業に務める経理であればまともな正月休みは取れてないと思います。
(経理業務が気になって休みどころではない)

さらに、お盆休みも中間決算で8月に長期休暇を取ることは出来ません。
私の故郷は九州ですが、社会人になってから一度も8月に帰省出来てません。

帰省するのは決まって決算後の9月。
決算時期はとにかく経理にとっては戦場と化します。

決算時期の具体的なスケジュールについてはコチラをご覧ください。

関連記事:【経理はやめとけ】経理未経験の1年目は辛くしんどい【辞めたい毎日への対処法】

月初の間

月初の間に行われる経理業務のルーチンワークの一つ「月次決算」
毎月会社のPL/BC/CSを締める作業になりますが、月初の月次決算時期も忙しいです。

四半期決算に比べれば忙しさは鬼ではありません。

しかし、経理初心者にとっては目が回ります。
それもそのはず、いつまでに締めなければいけない「期日」が必ず決まっており、それまでに資料を揃えて仕訳も入れないといけない。

時間に追われる焦りと締めれるのかという恐怖が入り交じり、何とも言えない状況が続きます。

月次決算の具体的なスケジュールについてはコチラをご覧ください。

関連記事:経理の5大ストレスを現役経理マンが暴露【プレッシャーに打勝つ対策】

忙しくない時期とは

それでは経理の忙しくない時期についてです。

忙しくない時期は主に「決算月以外の月」です。
先ほど例に挙げた12月期決算企業で言うならば、

・2月、5月、8月、11月以外の月(四半期決算)
・3月以外の月(株主総会)
・月次決算後の月中から月末までの期間

つまり、1月、4月、6月、7月、9月、10月、12月の月中から月末までの期間が忙しくない時期にあたります。

私は中小企業から大企業に転職しましたが、この時期については、どの業種、企業の業態&規模においても同じです。

この忙しくない時期を使って、経理は新しい会計基準や適時開示ルールの確認。
スキルアップのための勉強と次月に向けた準備などに時間を費やします。

言い換えるなら、忙しくない時期の使い方がとにかく重要。
事前準備を怠れば、忙しい時期が「鬼」になるか「天使」になるか明暗を分かれます。

関連記事:経理は楽な仕事?【暇なのは成長の証でも初心者は勉強漬けの毎日】

決算時期の具体的なスケジュール

ここまで経理の忙しい時期と忙しくない時期を解説してきました。

ここからは、忙しい時期の中でも特に忙しい決算時期の具体的なスケジュールについてまとめていきます。

四半期決算の具体的なスケジュール

まずは四半期決算の具体的なスケジュールについてです。

12月期決算企業の場合、四半期決算発表にあたる月は↓

【四半期決算のスケジュール(12月期決算企業の場合)】
5月:第1四半期決算(1月~3月期間の決算を発表)
8月:第2四半期決算(4月~6月期間の決算を発表)
11月:第3四半期決算(7月~9月期間の決算を発表)
2月:第4四半期決算(10月~12月期間の決算を発表)
※第4四半期決算(本決算)はコチラで説明します。

決算の発表、報告は法定提出期限が四半期決算期末後45日以内と法律で定められています。

そのため、決算月の中頃に必ず発表しなくてはいけません。
発表期日を決めて、線表もひいて、誰が何のパートを担うか、逆算し締めの作業を経理は行います。

業務内容は、月次決算の業務に加えて、「決算短信」「有価証券報告書」の決算資料を作成します。
上場企業となれば、四半期ごとの業績を決算資料を用いて開示する義務があります。

この決算短信等の資料作成に手間を取られます。
さらに、適時開示時に用いる「TDNet」と「EDINET」の操作は未だに安心できません。。

何度も何度も、間違いはないか。
読み合わせを繰り返しても、操作時には手が震えます。

それほど、経理にとって決算資料の不備は「恥」なのです。
(不備or間違いがあった場合、修正の適時開示も出さなければいけないため、東証の閲覧ページに残ります)

関連記事:経理のモチベーションを上げる方法【大切な事は成功体験の積み上げ】

本決算の具体的なスケジュール

次に本決算の具体的なスケジュールについてです。

本決算は四半期決算の説明でも出てきましたが、「2月」の第4四半期決算が本決算にあたります。
そして、本決算に向けての経理のスケジュールは以下のようになります。

【本決算のスケジュール(12月期決算企業の場合)】
1月:本決算に向けた準備(資料作成、監査法人対応等)
2月:月半ばに決算発表+株主総会に向けた準備
3月:月末に株主総会

決算発表は2月ですが、発表後には株主総会が待っています。
この株主総会に必要な計算書類や招集通知の作成は経理が担います。

つまり、新年早々、3か月間は心落ち着く間もありません。

業務内容は、四半期決算時の決算短信と有価証券報告書は同様に作成します。
ただ、作成する内容とボリュームが比較になりません。

有価証券報告書で言うならば。

・四半期決算が、20ページ程度の作成に留まる一方で。
・本決算では、120ページ程度。約6倍の作成ボリュームになります!
※前職企業の有価証券報告書で説明

また、株主総会に向けた計算書類や招集通知の作成。
さらに、予算策定も完了しておかなければいけません(これは年末まで)

本決算完遂までは経理に有給の2文字はありません。
(むしろ休日出勤が容易にあり得ます)

関連記事:経理のやりがいや楽しさ、大変さとは何?【現役経理マンが忖度なしに解説】

月初作業の具体的なスケジュール(月次決算)

次に月初作業の具体的なスケジュールについてです。

月次決算のスケジュールは、中小も大企業もおおむね「月初7営業日」で締めます。

主な業務内容とスケジュールは以下のようになります。

1日目:現預金の残高確認
2日目:棚卸資産の確認
3日目:仮払金&仮受金の振替
4日目:経過勘定計上
5日目:売上&未払金等の計上
6日目:減価償却費&試算表作成
7日目:決算書&業績報告資料作成

決算書および業績報告資料が完成すればCFOに報告。
その後、取締役会が執り行われ、経理が作った資料を用いて月次業績の報告を監査役等に行います。

ここで言いたいのは、初動の処理が遅くなれば後半に大変なしわ寄せがやってきます。

当然、試算表および決算書の作成は上司やリーダーが担います。
顔色は伺いたくはありませんが、スケジュール組んで準備を怠らず進めるのがコツです。

経理業務をスマートに進められる人材は「段取り八分」を徹底しています。

関連記事:経理に向いている人、向いてない人の性格は?【現役経理マンが徹底解説】

忙しい時期はあるが全てはスキル次第

悩む女性

「経理って忙しいのか・・・初心者にとっては辛そう。」

赤裸々に経理業務の忙しい時期とスケジュールをまとめてきました。
ただ、最後にお伝えしたいのは忙しい時期はあるが全てはスキル次第という事。

誰でも最初は未経験

私もかれこれ経理などの管理部門に従事し7年になります。
はっきり言える事は、最初の1~2年は忙しくても3年目になると忙しさはなくなります。

それは、経理業務はルーチンワークのオンパレードなので、何度も繰り返すとスキルが身につき要領も分かってきます。

・いつ何を準備しないといけないのか
・線表上での立ち振る舞いと進め方
・決算時独特の仕訳の切り方
・予算策定の注意点と事業部との付き合い方

1年目なんか全てが初めてなので出来ないのが当たり前。
テンパって失敗も増えますし、進みが悪いのも当然です。

失敗を経験し乗り越えるからこそ人間は成長できる。
経理のいい所は、同じ業務を通して、スキルが身につき、自分自身の成長を実感できる点。

「1年前は出来なかったのに、今年は一人で仕訳を切れるようになった!」

なんてことはよくある話です。
最初の1~2年だけ辛い日々を歯を食いしばって乗り越えれば、その後は天国が待っています。

関連記事:経理へ転職は未経験だと難しい?【30代現役経理マンが徹底解説】

どうしても今の会社に合わないと感じたら

ただ、中には経理は好きでも会社のやり方に合わない人がいます。
そんな方は、自身のスキル向上を潰してしまう恐れがあるため、早々に転職する事をおすすめします。

一度、転職エージェントに状況を相談して、良い求人がないか探してもらうのが今後の人生にプラスになります。

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まとめ:経理の忙しい時期もスキル次第で乗り越えられる

経理の仕事の忙しさに関する情報をまとめてきました。

改めて、本記事のポイントをまとめると、

本記事のポイント

  • 経理の仕事は忙しい時期と忙しくない時期がある
  • ただ、スキル次第で忙しくなくなる
  • どうしても現会社に合わない方は転職を

経理ほど忙しい時期とそうでない時期が分かれる職種はないかと思います。
事前に分かっているからこそ対策も打てるし準備もできます。

ただ、経理未経験者or初心者にとっては全てが初めて。
準備しても経験しなければ分からない事も多々あります。

つまり、何度も経験する事でスキルも身につき忙しさが軽減されます。
乗り越えられれば中堅からベテラン経理にとっては天国のような職種と言えます。

今が踏ん張り時。将来の成長のためにがんばりましょう!

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