零細企業にホワイトは存在しない?【務めるメリットとブラック企業との見分け方】
パソコンを打つ女性

「零細企業への転職・就職を考えてるけど、ホワイト企業は存在しないの?ブラックばかり?零細企業に勤めるメリットやホワイト企業との見分け方があれば教えてほしい!」

こんな疑問、悩みに答えます。

このブログでは「零細企業への転職・就職を検討している方」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。

  1. 零細企業にホワイトは存在しないかの結論
  2. 大企業と比較して零細企業に務めるメリット
  3. 零細企業に務める代表的なリスク・デメリット
  4. 零細企業がホワイトかブラックかの見分け方
  5. 零細企業に就職する際に避けるべき業界

マンションの一室がオフィス、というイメージの「零細企業」

当ブログ管理人も零細企業の勤務はあるので分かります。
ホワイト企業を希望するなら入社は極力避けるに越したことはない、が結論です。

なぜなら、零細企業はホワイトよりブラックの方が多いから。

零細企業の実態と務めるメリット・デメリットについて詳しく解説していきます!!

たかひろ@現役経理マンたかひろ@現役経理マン

「検討中の零細企業がホワイトかブラックかの見分け方についても解説していきます。今まさに零細企業への入社を検討している方は、参考にしてみてください。」

零細企業にホワイトは存在しない?【結論ゼロではないけど少ない】

従業員数が2桁以下の小規模企業者と呼ばれる「零細企業」
(出典:中小企業庁「中小企業の定義について」

従業員数がとにかく少ないのが特徴の一つ。
そんな零細企業にホワイトな会社は存在しないのでしょうか?

結論からいえば「ゼロではないが限りなく少ない」
理由を一言でいえば、事業も組織運営も安定していないから。

実際、労基法に違反する企業の『7割』が中小・零細企業。
その多くは個人企業や中堅以下の零細企業に集中していることが東京商工リサーチの調査で明らかとなっています。

つまり、大企業に比べて圧倒的にホワイトな零細企業は少ないことになります。

なぜ零細企業にホワイト企業は少ないのか。
法令に違反する企業が零細企業では増えてしまうのか。

その理由について、分かりやすく大企業と比較しながら解説していきます。

  • 【理由1】コンプライアンスへの意識が低いから
  • 【理由2】多重下請け構造の末端に位置するから
  • 【理由3】多くが労働組合に所属していないから

【理由1】コンプライアンスへの意識が低いから

まず1つ目の理由として「コンプライアンスへの意識が低いから」

企業経営で特に重視すべき法令遵守(コンプライアンス)
会社は法令を遵守し、社会的な役割と責任を果たすべく存在します。

しかし法令に遵守しなければどうなるのか?
昨今の問題視される労働基準法違反や企業不祥事を引き起こす恐れがあります。

そして、これら法令遵守への意識は大企業より零細企業のほうが低いと言わざるを得ません。

【あなたが務める企業にコンプライアンス専門の部署や担当者はいますか?】

実際、法令遵守への意識調査を見ると従業員数が少ない会社ほど専属を置いていないことが分かります。

従業員数1,001人以上の大企業は『約7割』が専属あり。
一方、2~10人の零細企業はわずか『2.6%』と大きな開きがあります。

人件費等の問題はあるもののこれでは法令遵守への意識は低くなります。
法務対応に関する資料を見ても従業員数が少ない会社ほど意識は低いことが分かります。
(出典:「中小企業の法務対応に関する調査」

つまり、零細企業は法令遵守への意識が低いために労基法違反を引き起こしがちだといえます。

【理由2】多重下請け構造の末端に位置するから

2つ目の理由が「多重下請け構造の末端に位置するから」

ビジネスには「商流(元請け⇒下請け⇒下請けの下請け)」というものがあります。

①:仕事を発注する人、その仕事を受注する元請け。
②:受注したら手数料抜いて仕事を下請けに発注。
③:②を繰り返し最下層の末端企業が業務担当。

建設業界やIT業界ではよくある話。
当然、①ほど大手企業が仕事を優先的に受注(元請け)します。

下請け先は関連会社や取引先などの零細企業。
そして、零細企業は劣悪な取引条件で業務を行うことになります。

その条件の中で特に多いのが「納期の短縮」
中小・零細企業の『6割以上』が元請けに求められたと回答。
(出典:中小企業庁「長時間労働に繋がる商慣行に関するWEB調査」

その結果、零細企業に何が起こるのか?
長時間労働は常態化し、手数料を多重に抜けれるため低賃金になりがち。

「下請けいじめ」なんて言葉も生まれるほどです。

つまり、零細企業は大手企業(元請け)のいいなり。
弱い立場にある末端企業の末路は、決して明るいものではありません。

関連記事:1日12時間労働は違法ではない?【結論より当たり前と思考停止する方が危険】

【理由3】多くが労働組合に所属していないから

そして「多くが労働組合に所属していないから」

零細企業の労働組合組織率は著しく低いです。

企業規模別に見ると、1千人以上の企業では、41.8%と前年比1ポイント上昇したが、100~999人の企業では11.3%(前年比0.1ポイント減)、99人以下は0.9%(前年比0.1ポイント増)であり、中小地場零細企業の組織率は伸びていない。

労働組合の意義は、労働者のよりよい労働条件の維持・改善。
(出典:厚労省「労働組合/労働委員会」

賃金の底上げや労働環境の整備も労働組合が企業に対し働きかけを行います。

つまり、企業側からしたら労働組合は厄介な存在。
賃金の要求はコスト高につながり、経営者は非常に緊張するか萎縮するかのどちらかです。
(出典:教育文化協会「労働組合の組織と役割」

ですので零細企業のほとんどは労働組合が存在しません。
その結果、労働者は劣悪な労働条件のもと主張できず働かされている実態があります。

関連記事:【厳選】やばい会社の特徴12選!留まっても時間の無駄なので即転職を推奨

大企業と比較して零細企業に務めるメリット

ここまで零細企業にホワイト企業が少ない理由を解説してきました。

疲れた女性

「ホワイト企業が少ないなら務めるメリットなし?転職は大企業・中小企業を目指したほうがいいのかな?」

ここで疑問になるのが「務めるメリット」
零細企業にホワイト企業が少ないなら入社は避けたいのが本音。

でも、危ない橋を渡っても転職を選ぶ人はいます。
ここでは大企業と比較して零細企業に務めるメリットを体験談をもとに3つまとめていきます。

  • 【メリット1】新人でも大きな裁量権を持てる
  • 【メリット2】早期に役職・肩書が手に入る
  • 【メリット3】経営者との距離が近いので経営ノウハウが学べる

【メリット1】新人でも大きな裁量権を持てる

まず1つ目のメリットが「新人でも大きな裁量権を持てる」

大企業ではまず関われない業務を零細企業では新人から任せてもらえます。

私の経験からいえば、入社1年目から予算策定の担当に抜擢。
事業部長とコミュニケーションが増え、裁量権もって毎日刺激的な日々を送っていました。

一方大企業の場合、広く浅く業務に携わる特徴があります。
規模が大きいので短期間のうちにジョブローテーション制度を行うためです。

この結果、何が起こるのか?
実務は積みあがらず、専門性もないジェネラリスト社員が量産されます。

つまり、他の企業では通用しない人材になる恐れがあります。
転職したくてもできないこと状況にいることに、いずれ気づくことになります。

関連記事:【あなたも対象?】大企業リストラで悲惨な末路を辿らない為に今やるべき3つの事

【メリット2】早期に役職・肩書が手に入る

2つ目のメリットが「早期に役職・肩書が手に入る」

(出世に興味ない人にはメリットになりませんが)
零細企業では事業が未完成だからこそ実力のある人材を早期に抜擢し育てます。

また新規事業が立ち上がれば、その都度管理職の席が準備されます。
ですので、入社1年目で管理職、20代で子会社の社長など実例でも起こりえます。

大企業の場合、管理職になるまで10年以上かかる試算もあります。
(参考:【出世できないとわかったら】転職?諦める?取るべき行動は2つだけ

関連記事:ベンチャー転職は後悔する?【大企業との違いから向き不向きを解説】

【メリット3】経営者との距離が近いので経営ノウハウが学べる

特にメリットとして感じるのが「経営者との距離が近いので経営ノウハウが学べる」

会社を立ち上げる経営者はパワフルさを感じます。
今後起業やフリーランスを目指す人には大いにメリットとして享受できます。

そのために零細企業に転職してくる人もいるほどです。

つまり、目的が明確ならリスクも許容範囲ということ。
リスク以上に得られるものがあれば、零細企業に転職する価値はあります。

関連記事:大企業が合わない人の特徴10選【安定・安泰を好まない人は向いてない!】

零細企業に務める代表的なリスク・デメリット

零細企業に勤めるメリットは分かりました。
では零細企業に務める代表的なリスク・デメリットは何があるのでしょうか。

そのリスクというのが以下3つの項目。
大企業・中小企業と比較して圧倒的にデメリットに感じます。

  • 倒産リスクが高い
  • 給料が低い
  • 休みが取りづらい

天秤にかけてメリットとデメリット、どちらを取るか。
とはいえ、企業規模の中で圧倒的にリスクなのは零細企業であることに間違いありません。

上記デメリットの詳細は以下関連記事で詳しくまとめています。
気になる方、零細企業への転職を検討している方は合わせてご覧ください。

関連記事:【新卒でベンチャー企業は危ない?】やめとけと言われる不安な理由と見極め方

零細企業がホワイトかブラックかの見分け方

仕事に悩む人

「零細企業に務めるリスク・デメリットは分かったけど、どんな零細企業がブラック?具体的にホワイトと見分ける方法を知りたい!」

ここからは零細企業がホワイトかブラックかの見分け方についてご紹介していきます。

ブラック企業である確率の高い零細企業の特徴。
ここでご紹介する3つの零細企業ではホワイトには遭遇しづらいといえます。

  • 【見分け方1】家族経営ではない会社
  • 【見分け方2】大手の下請けではない会社
  • 【見分け方3】社歴が短くない会社

【見分け方1】家族経営ではない会社

まず1つ目の見分け方が「家族経営ではない会社」

創業者一族が経営する「家族経営(同族経営ともいう)」

家族経営の会社の何がブラックなのか?
それは、権力の乱用(会社を私物化)しやすいといえます。

そのため、会社の方針は社長の気分で変わる。
従業員の給料も明確な評価基準がないまま主観で支給されるなど。

つまり、大企業・中小企業と違い、コンプライアンス意識が著しく欠如しているといえます。

ちなみに家族経営の会社の定義は以下の通り。
(資本金別でみれば『43.9%』が家族経営の会社に該当します)

  • 資本金が200万円程度の零細企業
  • 従業員数は2桁以下で多くの親族が働いている
  • 創業者一族が役員に就き、明らかに権力を握っている

関連記事:家族経営の会社が最悪でやばい特徴10選【結論メリットよりデメリットの方が大】

【見分け方2】大手の下請けではない会社

次に見分けるポイントは「大手の下請けではない会社」

下請けになればなるほど労働環境は悪化します。
なぜなら、手数料が抜かれ、下請けいじめが常態化してしまうからです。

人材紹介会社のUZUZでも商流の下流は避けるべきと訴えています。

なるべく商流の上流を目指しましょう。
元請け会社や大手企業を目指すことで高確率でホワイト企業に巡り合えます。

関連記事:会社がブラックすぎる体験談20選【ブラック企業へ入社を回避できる方法も紹介】

【見分け方3】社歴が短くない会社

そして最後の見分け方が「社歴が短くない会社」

企業の「生存率」を「中小企業白書」で確認してみると。
起業して1年後の生存率は『約72%』、3年での生存率は『約50%』

3年経った時には零細企業の半分が廃業している計算になります。
言い換えるなら、長く経営している零細企業は社長をはじめ事業運営が好調な証拠です。

社歴1年の生まれたてほやほやが最もやばい。
潰れる確率は限りなく高く、到底ホワイトとはいえません。

余談ですが、社歴が長くても経営が不安定な零細企業も当然存在します。
その時の見分けるポイントは決算書に記された「利益剰余金(内部留保)」

企業がこれまで生み出した利益の積み立てを表す自己資本の一つです。

この利益剰余金を社歴で割れば平均を算出できます。
利益剰余金が少なすぎても倒産の兆候として見られるため注意が必要です。

関連記事:潰れる会社の特徴15選【社長・社員・雰囲気・空気感から共通点を分析】

イマイチ見分けるポイントが分からない時の解決策

見分けるポイントを3つご紹介しましたが、イマイチ分からない・・・

そんな時の解決策があります。
それは転職のプロに相談して企業情報を得るやり方。

つまり、転職エージェントの力を借りるのが手っ取り早い解決策です。

転職エージェントを活用すれば、企業情報を簡単に入手できます。
社長の人柄や求人を出す目的、どんな人材を求めているのか?

個人で調べるには難易度の高い情報もレポートとして手に入れられます。

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転職エージェントの利用が初めての方は以下関連記事もご覧ください。

関連記事:転職活動初心者なら転職エージェント利用は必須【理由と疑問に回答】
関連記事:転職エージェントは複数使うべきか?【何社掛け持ちがベストか理由も解説】

零細企業に就職する際に避けるべき業界

最後に零細企業に就職する際に避けるべき業界について解説していきます。

東京商工リサーチが労基法違反企業を調査。
この調査結果によると以下の業界で特に違反が確認されたようです。

  1. サービス業(41.27%)
  2. 製造業(22.22%)
  3. 運輸業(19.05%)

サービス業が約4割と大半を占めています。
職種でいえば接客や販売、アパレルに飲食関係。

つまり、BtoCビジネスの企業・業界が違反率は高くなることになります。

零細企業かつブラックな職場を避けたい方は参考にしてみてください。
そして、仕事選びの際には必ず転職エージェントに企業情報を確認してから進めましょう。

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まとめ:目的が明確なら零細企業のホワイトかどうかは関係なし

零細企業の実態と務めるメリットやホワイト企業との見分け方をまとめてきました。

改めて、零細企業にホワイト企業が少ない理由をまとめると、

零細企業にホワイト企業が少ない3つの理由

  • コンプライアンスへの意識が低いから
  • 多重下請け構造の末端に位置するから
  • 多くが労働組合に所属していないから

統計的にみれば零細企業にホワイトは少ないです。
とはいえ、零細企業には務めるメリットも当然あります。

大事なのは「会社に勤める目的」

何のために会社に勤めるのか?
スキルアップなのか、経験を積むためなのか、単なる生活のためなのか。

人それぞれの目的によって零細企業の見方も変わります。

ですが、零細企業でホワイトに入社したい!
ブラック企業だけは避けたいという方は必ず転職エージェントの力を借りましょう。

企業の内情を知り尽くした転職のプロに聞くのが最適解です。
前もってリサーチすることで、限りなく希望の会社に転職することは可能です。

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とはいえ、転職するにしてもどんな仕事が向いてるのか。
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